日々の抜け毛が単なる季節の変わり目やストレスによるものなのか、あるいは甲状腺という重要な臓器の異常によるものなのかを見分けるためには、髪以外の身体の変化に目を向けるセルフチェックが非常に有効です。まず鏡の前で首の付け根あたりを観察し、喉仏の下にある甲状腺が以前よりも腫れていないか、あるいは飲み込むときに違和感がないかを確認してください。次に肌の状態ですが、洗顔後も異常にカサカサしていたり顔全体がむくんでいたりする場合は機能低下症の疑いがあり、逆に異常に汗をかきやすく肌が常に湿っているような場合は機能亢進症の可能性があります。脈拍も重要な指標の一つであり、安静にしているときでも一分間に九十回以上の速い脈を感じる場合や、逆に五十回以下のゆっくりとした脈が続く場合は注意が必要です。体重の変化についても、食事量は変わらないのに急激に増えた、あるいは食べても食べても痩せていくといった極端な傾向が見られないか振り返ってみましょう。さらに爪の状態を確認し、以前よりも割れやすくなっていたり表面に凹凸ができていたりしないか、また眉毛の端の方が薄くなっていないかも大切なチェックポイントです。精神面では、理由もなくイライラしたり不安感が強かったりする場合や、何をするにもやる気が起きず一日中眠くて仕方がないといった状態が続いていないでしょうか。便通に関しても頑固な便秘や頻繁な下痢といった変化が長期化している場合は内科的な不調が疑われます。これらの項目のうち複数が当てはまり、かつ抜け毛が頭部全体から進行していると感じるのであれば、それは甲状腺機能の異常を示唆する身体からの強いメッセージかもしれません。甲状腺の病気は自覚症状が多岐にわたるため自分では気づきにくいものですが、薄毛という目に見える変化をきっかけに全身のチェックを行うことは早期発見の大きなチャンスとなります。もし一つでも強い違和感があるなら、自己判断で悩む時間を短縮し、速やかに血液検査を受けることが最善の選択です。身体の内側が整えば髪の輝きは必ず戻ってきますので、まずは自分の身体の声に静かに耳を傾ける時間を持つことから始めてみてください。
髪が抜ける時に確認したい甲状腺のセルフチェック