ある日、美容室でカットを終えた後に「後ろの感じも確認してください」と渡された鏡に映った自分の姿を見て、私は言葉を失いました。それまで自分の髪は年齢の割にフサフサだと思い込んでいたのですが、そこに映っていたのは地肌が白く広がり、髪の隙間から頭皮が剥き出しになった自分の後頭部だったのです。その瞬間から、エスカレーターに乗れば一段上にいる人の視線が気になり、会議で座っていれば後ろに座る同僚の目が怖くなり、大好きだった外出さえも苦痛に感じるようになってしまいました。このままでは本当にはげてしまうという恐怖に駆られた私は、ネットで後頭部の薄毛について徹底的に調べ、評判の良いAGAクリニックの門を叩くことに決めました。診察室で先生から、私の後頭部の状態は典型的な進行性の脱毛症であり、早めの対策が必要だと告げられたときは足が震えましたが、同時に「今から始めれば必ず良くなります」という力強い言葉に救われた思いでした。処方された内服薬と外用薬を使い始めると同時に、私はこれまでの不規則な生活を根底から見直すことにしました。深夜までスマートフォンを眺めていた習慣を捨て、零時前には必ず就寝するようにし、食事もタンパク質と野菜を意識した健康的なメニューに変えました。治療を開始して最初の二ヶ月は、初期脱毛と呼ばれる一時的な抜け毛の増加に悩まされ、逆に薄くなっているのではないかと不安で押しつぶされそうになりましたが、先生の言葉を信じて淡々と薬を使い続けました。四ヶ月が過ぎた頃、ふと合わせ鏡で確認すると、以前はスカスカだった部分に短い産毛がびっしりと生え始めているのを見つけ、その時の喜びは一生忘れられません。一年が経過した今では、美容師さんからも「髪の毛がしっかりしてきましたね」と驚かれるほどに回復し、以前のように後ろ姿を気にすることなく堂々と歩けるようになりました。後頭部の薄毛は自分では気づきにくいからこそ、気づいた時のダメージは大きいですが、そこから逃げずに専門の医療機関を頼り、自分の生活を正すことができれば、必ず道は開けます。あの時の絶望は、私にとって自分自身の健康と向き合うための大切な警告だったのだと、今は前向きに捉えています。同じ悩みを持つ方には、一人で抱え込まずに一刻も早くプロの助けを借りてほしいと心から伝えたいです。
合わせ鏡で絶望した私の後頭部克服記