五十代を迎えた頃からシャンプーのたびに排水溝に溜まる抜け毛の量に不安を感じるようになり鏡を見るたびに以前よりもふんわり感が失われた自分の姿に寂しさを覚えるようになりました。若い頃は髪の量が多くて困るほどだったのにいつの間にか分け目が広がり朝のスタイリングでトップを立ち上げるのが難しくなってきた現実に直面した時ようやく自分も加齢による薄毛という問題に直面しているのだと自覚しました。最初は高いシャンプーやコンディショナーを買い漁りましたが表面的なケアだけでは根本的な解決には至らず誰にも相談できない孤独感の中で一人で悩む日々が続きました。そんな時勇気を出して同じ年代の友人に話をしてみると実は多くの人が同じような悩みを抱えておりそれぞれが密かにケアを行っていることを知り少しだけ心が軽くなったのを覚えています。私は自分に合った対策を見つけるために専門のカウンセリングを受け自分の頭皮が乾燥し血行が悪くなっていることを指摘されました。それからは毎日お風呂上がりに頭皮エッセンスを使い指の腹で優しく揉みほぐす時間を自分のための大切な儀式として定着させました。食事についても大好きだった甘いものを控えタンパク質や鉄分を豊富に含む食品を意識して選ぶように生活をガラリと変えました。驚いたのは三ヶ月が過ぎた頃に髪の根元にこれまでにはなかった確かな手応えを感じ始めたことです。抜け毛が劇的に減り鏡の中に映る自分に少しずつ自信が戻ってきました。完璧に二十代の頃に戻ることはできなくても今できる最善のケアを施すことで髪の毛は必ず応えてくれるのだと身をもって実感しています。髪の悩みは心の状態にも大きく影響するため一人で抱え込まずに正しい知識を取り入れ自分の体を慈しむことが何よりの薬になるのだと確信しています。これからも年齢を重ねることを恐れずに前向きに自分の髪を育てていきたいと思っています。最新のテクノロジーを賢く取り入れつつも基礎となる食事や睡眠、血行促進といった土台を盤石にすることが結局のところ一番の近道であることに変わりはありません。科学の力で「不可能」を「可能」に変えていく一方で自然な身体の摂理を尊重する。このバランスの取れた視点が現代を生きる大人の女性には求められています。
私が髪のボリューム不足に向き合い始めた日の記録