五十歳を過ぎた頃から急に洗髪時の抜け毛が増え、鏡を見るたびに分け目が広がっていることに気づいたときの絶望感は、今でも昨日のことのように鮮明に思い出されます。それまでの私は髪の量が多いことだけが自慢でしたが、更年期の不調と共に髪のコシが失われ、朝のスタイリングでどうしてもトップがぺたんこになってしまう現実に、自分の若さが失われていくような言いようのない恐怖を感じました。周囲の友人に相談しても「年齢のせいだから仕方ない」と笑い飛ばされるだけで、誰にも本当の苦しみを受け止めてもらえない孤独感から、一時は外に出ることさえ億劫になり、帽子を被らずには買い物にも行けない日々が続きました。しかし、このままではいけないと思い立ち、私は自分の体と真剣に向き合うことを決意し、まずは更年期の薄毛に詳しい専門のレディースクリニックを訪れました。そこで先生から、ホルモンバランスの変化が髪に与える影響について丁寧な説明を受け、自分の薄毛が適切なケアで改善できる可能性があることを知ったとき、ようやく暗闇の中に光が見えたような気がしました。クリニックで処方された外用薬を使い始めると同時に、それまで疎かにしていた食事内容をタンパク質中心に変え、夜更かしをやめて質の高い睡眠を確保するように生活を根本から見直しました。治療を始めて最初の三ヶ月は目に見える変化がなく、何度も挫折しそうになりましたが、半年が経過した頃にふと鏡を見ると、分け目に短い産毛のような毛がたくさん生えてきているのを見つけ、その時の喜びは言葉では言い表せないほどでした。一年が経つ頃には以前のようなふんわりとしたボリュームが戻り、美容室で担当の方に「髪質が本当に良くなりましたね」と驚かれたとき、私はようやく失っていた自信を取り戻したのだと確信しました。更年期の薄毛は確かに辛い悩みですが、決して治らないものではなく、勇気を出して一歩踏み出し、自分を慈しむケアを続けることで、再び自分らしい笑顔を取り戻せる日が必ずやってきます。あの時諦めなかった自分を褒めてあげたいですし、今同じように悩んでいる方にも、希望を捨てないでほしいと心から伝えたいです。
私が更年期の薄毛を乗り越えて自信を取り戻すまでの記録